緊迫感あふれるドキュメント。──NHK「100カメ 羽田空港 巨大空港の舞台裏！」

10月1日に「NHKプラス」から「NHK ONE」に移行して不具合のオンパレードで

ブーイングの嵐だったNHKだが、好きな番組のひとつに「100カメ」がある。

毎回ある一つの現場に100台もの小型カメラを設置して撮影。

その場にいる人たちの"素の表情や日常"を垣間見るという観察番組で、

スタッフが現場に一切介入せず、100台のカメラがそこで起こる全てを記録している、

という撮影スタイルが大きな特徴。

番組進行はオードリーの二人なのだけれど、視聴者と同じような視点で感想を語る。

惜しむらくは放送が不定期で一定ではないこと。。。

昨日、放送されていたのは羽田空港を舞台にした「羽田空港　空飛ぶ翼を守るプロたち」

という特集だった。

どうしても観たくて録画もスタンバイして臨んだのだけれどオンタイムで観てしまった。

約1分間に1便が離発着する羽田空港（世界第三位）は一日に21万人の人が利用するという。

飛行機が無事に離陸するまでの裏側、航空会社の心臓部である「運航管理部門」（OMC）、

もしもの場合に備えて常にスタンバイ要員が用意されている運航乗務員部門と

客室乗務員部門など、1日に900便もの飛行機を飛ばすために、各部署のスタッフたちの

緊迫感溢れる真剣な仕事ぶりを追った映像は実に見応えがあって面白かった。

先日、香港の空港で「ノーショー」の張本人になったばかりだが（滝汗）、

（「ノーショー」とは予約をしたにもかかわらず、キャンセル連絡もなく、当日現れないこと。）

呼び出しをかけて（これは台北で経験がある・汗）、探しにいって、

最終的に現れないと（番組では3分前まで待っていた）、預けていたスーツケースを

機内から運び出さなければならない（積んだまま飛び立つのかと思っていた）。

タグの番号から目的のスーツケースを探し出すのは大変な作業だ。

番組では問題の飛行機は13分遅れで飛び立っていったが、ご苦労なことだと思う。

一方、運行管理部門（OMC）では、航空会社が世界各地で飛ばしている、

すべての便の運航を管理している。

1日におよそ900便の飛行機を飛ばすためには、羽田空港を離着陸する便に限らず、

伊丹―福岡など、別の空港同士を結ぶ便も合わせて管理する必要がある。

機体の不具合や遅延などで運航ダイヤが乱れた時に、機体をどうやりくりするか、

悪天候の場合にはパイロットと交信しながら飛行プランを修正したりして、

常に安全で的確な飛行計画を地上から支え続ける。

悪天候や視界不良などで飛行機が安全に着陸できないと判断された場合、

着陸を途中で中断して再び上昇し、着陸をやり直す（ゴーアラウンド）の

場面も放送されていた。

私もやはり青森空港で経験があるが、無事に降りられなかった場合は羽田まで引き返し

ホテルを手配して翌日の新幹線の手配までも管理部門の仕事として生じるらしい。

番組内では皆が手に汗を握る中、無事に降りることができて拍手が湧いていたが

私は米子鬼太郎空港で待っていた飛行機が強風で降りられずに

引き返してしまった経験がある。

やはり最終便だったため、振り替え便は翌朝になるとのこと。

自費で米子市内までタクシーを飛ばし、自費で米子市内のホテルに宿泊したのだった（汗）。

そして問題の飛行機は米子の上空でゴーアラウンドを試みたものの、どうしても着陸できず、

関空で給油を経て、やはり羽田まで戻ったという。

待っていた客も災難だったが、乗っていた客ももっと災難だったかもしれない。

が、きっとこの時も羽田の運行管理部門（OMC）は大騒ぎだったことだろう。

そう思うと、あの時の話も仕方がないことだと思えてくる。

※米子鬼太郎空港で足止めを喰らった時の悲しいエピソードは

その他にも、搭乗カウンターのスタッフさんが（ノーショーがいなくて定刻出発ができて）

「お揃いです〜っ！」と満面の笑みを浮かべていたり、広島行きの定刻出発を地上で見送る

スタッフが「グッバイ・ウェーブ」で手を振りながら「広島行って牡蠣食いてー！」と

話していたり、自宅スタンバイのCAさんが「ガスレンジ消してきたと思います！」と言いながら、

突然の「ホノルル行き」の指令に対応したりと、まるで1本の映画を観ているような

見応えある作品に仕上がっていた。

※「グッバイ・ウェーブ」に関する紹介記事は

100台のカメラの映像を編集する作業は相当に大変だったと思うが、空の安全を守る空港の舞台裏の

ドキュメントとしては素晴らしい作品だった。

昨日の放送は「永久保存版」にしよう。。。

今なら「NHK ONE」でまだ観られるようなので、見逃した方は是非。

これからは絶対に「ノーショー」にならないように気をつけよう（汗）！！

おつかれさまでした☆