懐かしすぎる「Ventura highway」！！@「ラストマイル」

公開前から「シェアード・ユニバース作品」として話題を集めていた映画

『ラストマイル』。

8月23日に全国352スクリーンにて封切られたこの作品は、昨日までの10日間で

観客動員数152万人を超え、興行収入21.5億円を突破したという（驚）。

かくいう私もミーハーながら、公開初日に出かけていった一人（笑）。

流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの

関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件

へと発展していく。24時間体制で止まることなく動き続けるロジスティクスセンター本部、

その荷物の運搬を担う配送会社、配送先に荷物を届けるドライバー・・・、

それぞれの立場の人達の思いや願いを描きながら、関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナ

（満島ひかり）は、チームマネージャーの梨本孔（岡田将生）と共に事態の収拾にあたっていく。。。

一体、誰が、何のために、どうやって荷物に爆弾を仕掛けたのか。。。

「物流問題2024」を真っ向から捉え、依頼した荷物が期日までに当たり前に届く

私たちの日常にも「気づき」を与える野木さんの脚本はお見事！としか言いようがない。

TVドラマの「アンナチュラル」「MIU404」との繋がりが楽しめるのも嬉しい。

彼らは皆、元気にそれぞれのポジションで活躍したり、成長したりしていた。

彼らクラスの大物俳優の使い方がちょっともったいないように気もしたが

あれだけの内容のストーリーを128分の尺に収めるためには致し方なかったとさえ思える。

仕事でロジスティクスセンターなどにも出かけたことがあるが、どこにいっても「効率化」と

「スピード」の話ばかりで頭が痛くなった。働いているのは人間なのに・・・。

某和菓子店の包装紙に包まれてベルトコンベアの上を次々と流れていくパッケージ。。。

お中元・お歳暮シーズンは特にものすごい処理数となるようだ。

新興住宅地にあるセンターには託児所も用意され、送迎バスの発着もハンパない。

一番すごかったのは地方にある某スーパーのセンター。2分もいられない寒い冷凍庫や冷蔵庫の

中でピッキング作業をしているアジアの人達がいた（いくら仕事とはいえ）。

映画の中でもピッキング担当の人達はほぼすべてがパートか派遣スタッフだ。

そしてドライバーは一つ150円〜200円の荷物を時間までに運ぶ。

なんて苛酷な世界なのだろう。。。

コロナ渦を経て荷物の宅配は当たり前になったが、その配送を支えている人達が

いることも忘れてはならない。

ちなみにタイトルの「ラストマイル」とは、この、最後のドライバーが個人宅へ

荷物を届ける区間のことだという。なかなか重みがあるフレーズだ。

サスペンスタッチの重い映画ではあるけれど、BGMのうまい使い方に救われた。

特にオープニング（それ以外にも）に流れるAmericaの「Ventura highway」が

久しぶりに聞けて大感激！！

ずーーっと昔、まだ日曜映画劇場があったころ、スポンサーの1社だったレナウンの

CMで流れていた「Simple Life」」の曲を作ったイギリス出身のグループだ。

「A Horse With No Name」や「Sister Golden Hair 」などの大ヒットを飛ばした。

まさか映画館で彼らの曲が聴けるとはっ！！

映画自体も面白かったが、BGMが素晴らしいとなおさら記憶に残る。。。

オススメ度：☆☆☆☆★　4.5。

岡田くんは大好きだけれど、満島ひかりはあまり好きではないのてマイナス0.5。

巧いのかもしれないけれど、台詞回しや衣装などがちょっと浮きすぎの部分も否めない。

TVドラマの「アンナチュラル」「MIU404」を観ていなくても

特に問題なく楽しめるので是非！！

それにしてもあんなに満席の映画館は久しぶりだった。。。