幽玄な『青』の世界。─【特別展】没後25周年記念「東山魁夷と日本の夏」@山種美術館
2024年 08月 30日
焼けつくような暑さと停滞する台風のせいで気になっている美術展にも
なかなか出かけられない(汗)。
そんな中、千葉・佐倉にある「DIC川村記念美術館」が
来年1月をもって休館するという信じられないようなニュースが
飛び込んできた。
90年5月にオープンしたこの美術館は、マーク・ロスコやフランク・ステラなど
現代美術の豊富なコレクションで知られる素晴らしい美術館だ。
美術館が建つ建物や敷地も公園のように整備されていてステキなロケーションだ。
が、本家のDICは美術館の運営効率化のため、規模縮小と移転(ならまだしも、
最悪の場合は館の運営の中止も含めて)の検討に入るという。
万が一の場合は、来年の1月で見納めとなってしまう。。。
東京駅から片道1,450円の高速バスで行ける「地上の楽園」なので
ミホウの方は是非、今のうちに訪れてみてほしい。。。
そして此方併設のカフェレストランもとてもステキだ。
ヨーロッパにあるような美術館カフェを彷彿とさせる。
お出かけの際には是非立ち寄ってみるとよろしいだろう。
※美術館併設のカフェレストラン「ヴェルヴェデーレ」の紹介記事は
※「DIC川村記念美術館」ので紹介記事は
閑話休題。
メチャクチャに暑かった先日、広尾の「山種美術館」で開催されている
没後25周年記念「東山魁夷と日本の夏」展に出かけてきた。
「描くことは祈ることである」という彼の表現と作品が好きで、東山魁夷展というと
大体出かけることにしている(彼が戦後〜晩年まで過ごした
「市川市東山魁夷記念館」も含めて」)。
※「市川市東山魁夷記念館」の紹介記事は
今回の展覧会では山種美術館が所蔵する魁夷の作品全点を、10年ぶりに一挙公開ということで
大作『満ち来る潮』や連作『京洛四季』の『春静』『緑潤う』『秋彩』
『年暮る』の全4点を鑑賞することができる。
唯一、『緑潤う』のみ、スマホ限定(たしか)で撮影可能。
「京洛四季」の中でも一番好きなのは、大晦日の京都の街並みを描いた「年暮る」。
定宿の「京都ホテル」(現・ホテルオークラ京都)から雪が降りしきる情景を
描いたものだという(ポストカードから)。
今回の目玉作品の幅9m超の大作『満ち来る潮』は一番奥に堂々と展示されている。
皇居新宮殿にある魁夷の代表作と同じ題材の作品を、誰でも観られるようにと
山種美術館の初代館長が制作依頼した作品とのこと。
海の青の深さもさることながら、波にはプラチナ箔と金箔(!)が用いられ
キラキラと光り輝きながらダイナミックにうねっている。
会場には、岩や海、波のスケッチなどの下絵も展示されていてなかなか興味深い。
その他に横山大観の「夏の海」、上村松園の「蛍」なども鑑賞することができる。
が、個人的には物足りなさも少々。。。
何年か前に「東京富士美術館」で開催された「東山魁夷展」の方が
見応えはあったような気もする。その時は「長野県信濃美術館 東山魁夷記念館」の
所蔵作品が中心だったのだけれど。。。
※「東京富士美術館」で開催された「東山魁夷展」の紹介記事は
まぁ、「年暮る」を含む「京洛四季」と「満ち来る潮」が観られただけでも
ラッキーということで。。。
カフェで涼もうと思ったら、東山魁夷展覧会記念の和菓子がとても繊細で美しく、
そして美味しそうなのだけれど、ちとお高い(笑)。
名画鑑賞の後だからこそ、このようなお菓子を食べて優雅な気分に浸らなければ
いけないはずなのに、急に現実に引き戻されてしまった(笑)。
展覧会は9月23日(月)まで開催。。。
おつかれさまでした☆
by forestkoro1015
| 2024-08-30 18:24
| 美術館・展覧会・LIVE
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