緑の中の不思議な空中回廊。──「ホキ美術館」@千葉


見たままをそのまま忠実に描くことを基本とした絵画作品は
「写実絵画」と呼ばれる。


今や誰もが目の前の風景や対象物を一瞬でデジタル写真として撮影できる時代にあって
キャンバスに己が見たままの色やカタチを緻密に再現していく。。。
まるで写真のように超リアルな写実絵画の殿堂と呼ばれるのが
2010年に千葉・土気駅近くにオープンした「ホキ美術館」だ。


そのコレクションは創設者の保木将夫(医療機器メーカー・ホギメディカルの創業者)が
収集した写実絵画作品、およそ500点から成るという。
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世界で最も高い技術レベルを誇る日本の写実絵画の中でも
この美術館を代表する作家たちの3年に一度の描きおろしの大作を展示した
「私の代表作展」が開催中(5月12日(日)まで)とのことで
千葉方面まで出かけたついでにちょっと足を伸ばしてみることにした。


BS日テレの「ぶらぶら美術館」などでも紹介されていたが、
絵画でありながら実物を見ているような、いや、実物以上に超リアルな
数々の写実絵画の世界は私の想像をはるかに越えていた。。。



JR土気駅からは千葉中央バスでアクセスする。
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千葉市最大の公園である緑ゆたかな昭和の森に面して建つ地上1階、地下二階の
三層の回廊型ギャラリーは、日建設計のデザインによるもの。

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右側のアプローチを歩いて美術館エントランスへ。。。
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美術館入り口。
入ってすぐ右側にイタリアンレストラン「はなう」が併設されている。
ランチコースで3,850円(税込)ぐらい。要予約らしい。ディナー設定もあり。
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館内は撮影禁止。
下記の2枚はポストカードから。
2枚とも写実絵画作品だ。


1枚目は森本草介氏の「アンティーク・ドール」。
肌の質感、洋服のヒダや模様、そして髪の毛1本1本までがまるで写真のようだ。
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原 雅幸氏の「クリストファー・ロビンの聲」。
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館内の様子をチラッと。。。
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緑の中の不思議な空中回廊。──「ホキ美術館」@千葉_d0352022_18014435.jpeg
館内にギャラリーは8つ。
柔らかな自然光を採りいれた暖色系のギャラリーがその大半を占める。
↑のポストカードは常設展示の作品のようだが、3年に一度開催される「私の代表作展」
美術館の中で唯一黒い床壁天井の部屋で、一人6メートルの区切られた空間に14名の
作家たちの代表作が展示されていた。その出品作品は2メートル近い大作も。。。
さらに作品横にQRコードが設置され、専用サイトへアクセスすると、それぞれの作家の
生の声による作品に対するそれぞれの想いを聞くことができる。
暗い中で大きな作品に一人向き合っていると、なんだか不思議な部屋に足を踏み入れたよう。。。
どこかで似たような場所があったなーと記憶の彼方に遡ったら、
瀬戸内海・豊島の「心臓音のアーカイブ」という美術館だった。
いや、空間が似ているだけの話なのだけれど。。。



※瀬戸内海・豊島の「心臓音のアーカイブ」の紹介記事は




さて、たっぷりと写実絵画を楽しんだ後は、不思議なカタチをした美術館を外から鑑賞。
エントランス前のアプローチはさらに奥へと続いている。右側は公園。

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桜とユキヤナギがキレイだった。。。
緑の中の不思議な空中回廊。──「ホキ美術館」@千葉_d0352022_18003484.jpeg

その斬新すぎる設計はまさに「空中回廊」。。。
2階部分の先端30メートルが宙に浮かんでいる(驚)。
歩いても揺れが気にならないように制震構造になっているそう。。。
緑の中の不思議な空中回廊。──「ホキ美術館」@千葉_d0352022_18002174.jpeg
向こう側正面から見るとこのような感じ。
1F(上のフロア)のガラスの空間はイタリアンレストラン、
緑の中の不思議な空中回廊。──「ホキ美術館」@千葉_d0352022_18002611.jpeg
緑の中の不思議な空中回廊。──「ホキ美術館」@千葉_d0352022_18003851.jpeg
全体が巨大な船(?)のようなカタチをしているようにも見える。
まわりこんで空中につき出た部分を激写。。。
つきでた部分の下にあるガラスの空間は「ミュージアムカフェ」になっている。
緑の中の不思議な空中回廊。──「ホキ美術館」@千葉_d0352022_18004763.jpeg
あまりにも斬新すぎる設計デザインは、この世界的にも珍しい写実絵画専門美術館にこそ
ふさわしいのかもしれない。


さらに歩いて向こう側へ。。。近隣の住宅にも配慮したおとなしめのデザイン。
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スタート地点に戻ってきた。。。
緑の中の不思議な空中回廊。──「ホキ美術館」@千葉_d0352022_18005632.jpeg


緑区周辺は超久しぶりに訪れたが、以前に比べると宅地開発が進んでいて驚いた。
この美術館もアクセスはクルマかバスになるが、バスの時刻表や土気駅の電車の時刻表の他、
界隈の飲食店マップなども置かれていて、利用者視点に立った親切な施設だ。
千葉郊外の美術館というと、佐倉の「DIC川村記念美術館」が有名だが、
此方もオススメの美術館の一つだ。





※千葉・佐倉にある「DIC川村記念美術館」の紹介記事は




おつかれさまでした☆




●ホキ美術館
千葉県千葉市緑区あすみが丘東3-15
043-205-1500
午前10時~午後5時30分
火曜休・年末年始、展示替え期間
※休館日の詳しい情報はカレンダーをご確認ください。
メール: info@hoki-museum.jp
https://www.hoki-museum.jp
入館料
一般1,830円
65歳以上・高校生・大学生:1,320円
中学生910円





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Commented by rui-asami at 2024-05-07 18:28
美術館でゆっくりしたいーー^
川村美術館行こうかなーーーと思っていました。休館だったのですね。
知りませんでした。あそこには好きな作家の絵があって、
気持ちの整理したいときには絶好の場所なんです~
Commented by forestkoro1015 at 2024-05-08 18:01
rui-asamiさま

コメント有難うございます。
川村記念美術館の記事は少し前のものでして
休館されていたのが再オープンした・・・という内容のものです。
今はもう普通に営業されているはずです。
誤解を招く書き方をして申し訳ありませんでした(汗)。


好きな作家さんの絵を眺めに美術館。。。最高ですね!!
是非、楽しんでいらしてください。
千葉にはステキな美術館が色々あってうらやましいです!

Commented by rui-asami at 2024-05-11 18:00
そうでしたか、調べていってきます。
ロスコーがとても好きなんです。
数年前に私の作品がアメリカの美術館に展示されるというので(銀座1丁目ギャラリー主催)
アメリカの美術館巡りと言うツアーに参加してニューヨークに行ったことがあります。
フィラデルフィア美術館にたくさんロスコーの絵が展示されおり感激しました。
ロシア人だけどアメリカに亡命されたかたなんですよね。
何枚もあってそれはすごい迫力でした!
Commented by forestkoro1015 at 2024-05-13 10:30
rui-asamiさま


再び有難うございます。そして返信が遅れて失礼いたしました。
アメリカの美術館に作品が展示されるって素晴らしいですね!!
それでアメリカの美術館巡りというのもすごすぎですが!!


川村記念のロスコルームも圧巻ですよね。
他の絵画もすごいですが、やはりロスコヲ観に行くといっても過言ではないかも。
フィラデルフィア美術館、私もいつの日か訪れてみたいですぅ。。。
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by forestkoro1015 | 2024-05-07 17:20 | 美術館・展覧会・LIVE | Trackback | Comments(4)

美味しかったもの、楽しかったこと、旅の思い出などを徒然にご紹介します。


by forestkoro1015