近代モダニズム建築文化を愛でる。──「旧赤星鉄馬邸」@武蔵野市
2023年 11月 21日
少し前に知り合いのブロガーさんが紹介されていた「旧赤星鉄馬邸」。
武蔵野市の成蹊大学近くにある此方の建物が、期間限定で一般公開されるという
情報をキャッチ。早速、出かけてきた次第。。。
時々、前の道は通るのだけれど、「何かの施設?」と思っていた白い建物が
実業家・赤星鉄馬の旧邸宅であることを知ったのは、↑のブロガーさんの紹介記事だった。
大正・昭和期に活躍した実業家・赤星鉄馬は、日本初の学術財団「啓明会」を立ち上げ、
幅広い分野の先駆者たちの支援をしたことで知られる。
1923年の関東大震災で麻布・鳥居坂にあった邸が半壊し、吉祥寺に転居してきた。
その設計を手がけたのが、日本モダニズム建築の先駆者、アントニン・レーモンドで
1934年(昭和9年)に鉄筋コンクリート(RC)構造の曲線を採りいれた
モダニズム建築の邸宅が完成した。
チェコ共和国出身のレーモンドは、1919年(大正8年)、帝国ホテル建設のため、
近代建築の3代巨匠の一人、フランク・ロイド・ライトの助手として来日。
自然と風土に溶け込む実用的で美しい建築デザインを得意とし、
85歳になるまでの約44年間、日本の近代モダニズム建築に多大な影響を与え続けたという。
曲線美を活かしたエントランス。
玄関ドアにはガラスドアも設置。玄関全体が採光を採りいれた明るい空間に。。。
玄関を入るとすぐに小さな中庭が!
庭に面した南側は一面すべてが窓になっていて日当たり抜群!
作り付けの家具はアメリカから取り寄せた赤セコイア(木材)を用いて
レーモンドの妻で家具デザイナーのノエミ・レーモンドがデザインしたもの。
日本間を挟んでその隣は「夫人室」。
円弧を描いて開く引き出しや着物を収納するタンスなどもノエミ・レーモンドが
感性を活かして鉄馬の妻のためにデザインしたもの。
此方は後に増築された礼拝堂。
鉄馬の書斎。
書斎の隣にある和室の戸棚の下にも引き出しが!
和室の内窓は磨り硝子。
この模様の硝子は我が家とお揃い(こんなに大きくないけれど)!
何かの時に割れたら、「もう手に入らない!」と四面ある硝子の一つだけ
別の模様になってしまった(汗)。
褒められたのは硝子よりも周りの木枠の細工。
「これができる人はもういないんですよー!」とその硝子やさんは絶賛していた。。。
(どんだけ古い家なのだろう・笑)。
現在は年に数回のみの一般公開だが、武蔵野市としては今後の活用方法について検討中とのことらしい。
お金がある自治体は予算もつきそうで誠にうらやましい限りだ。
元々、建築物好きなので、なかなか楽しい建物探訪だった。
おつかれさまでした!!
by forestkoro1015
| 2023-11-21 18:03
| グルメ・都下・中央線沿線
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