潜伏キリシタンの信仰の深さを知る世界遺産:崎津集落。──静かな漁村に佇む「崎津教会」(初夏の天草紀行 vol.5)
2023年 07月 09日
「大江天主堂」からクルマでおよそ10分。。。
世界文化遺産の「天草・崎津集落」にやってきた。
禁教下での潜伏キリシタンの信仰継続を示す集落として知られる
「天草の崎津集落」は、仏教・神道・キリスト教が共存しながら信仰を育んだ漁村集落であり、
また国選定重要文化的景観に選定された集落としても知られている。
アワビやタイラギ貝など貝殻内側の模様を聖母マリアに見立てて祈ったり、
鏡や古銭などを信心具として代用し、250年以上にわたって祖先の信仰を守り続けた。
やがて禁教令が解かれ、1934年、フランス人宣教師ハルプ神父の時代に完成したのが
「崎津教会」だ。
見学は要予約とのこと。床は畳敷きになっているらしい。
木造建築で、正面の尖塔部分は鉄筋コンクリート。
「絵踏」(えふみ)が行われた当時の吉田庄屋宅跡が選ばれ、
実際に絵踏が行われた場所に祭壇が置かれている。
また、背後の海に溶け込む姿から「海の天主堂」とも呼ばれている。
※写真は借り物です。
横から見たところ。ステンドグラスが美しい。
「少女ベルナデッタ」の像も!
クルマ1台がやっと通れるような細いメインストリートの両脇にはノスタルジックな家並みが続き、
下校途中の小学生たちが「こんにちはー!」と挨拶してくれる。
ブラブラと散策しても小一時間もかからないような小さな集落だ。
家々の玄関の上にはやはり「しめ縄飾り」が!!
「崎津資料館」で教えてもらったところによると、
「うちは潜伏キリシタンではありませんよ!」という目印のようなものなのだそう。
実際にそうであっても、昔からの風習を守り続ける家、そうでない家が混在していて
眺めながら歩いてみるとなかなか興味深い。
昔は潜伏キリシタンであっても、表向きは仏教を信仰するフリをしていたそうで、それゆえに
「絵踏」などが行われ、潜伏キリシタンか否かをチェックしていたらしい。
中には信者であってもお仕置きが怖くて絵踏してしまい、
懺悔の気持ちからその絵踏した足を洗った水を飲み干した!
という記録まで残っているという。
なんとも悲しい話だ。。。
家屋と家屋の間にある幅90センチほどの集落内にある小径は「トウヤ」と呼ばれ、
交流の場にもなっているそう。
「観光案内所」の脇にある細い道を歩いていくと静かな海に出た。
長くなるので前・後編に分けよう。。。
by forestkoro1015
| 2023-07-09 18:33
| 熊本関連
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