一つの蔵に2万俵(120万キロ)!!米どころ庄内の歴史的シンボル。──「山居倉庫」(春先の日本海北上の旅 vol.5)


東北の旅の話に戻ろう。


庄内米というと「つや姫」「はえぬき」「ひとめぼれ」「あきたこまち」などが
有名だが、最近、眺めていたTV番組で「雪若丸」という庄内米が紹介されていた。
甘みがあって美味しいらしい。。。これは食べてみたいかも!



さて今回の旅の目的地の一つでもある「山居倉庫」にやってきた。
この季節、緑豊かなケヤキの葉っぱがないため、ちょっと寂しい(笑)。
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酒田港につながる新井田川にかかる「山居橋」を渡ってアクセス!
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此方が倉庫の表側になるらしい。
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三角屋根の白い壁と川面に映る倉庫のシルエットがなかなかロマンティックだ。
夜間にはライトアップされる。
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●米を運んだ小鵜飼船
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倉庫の裏側はケヤキ並木が続き、黒板塀と石畳との組み合わせがフォトジェニック。
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樹齢150年以上のケヤキ35本がきれいに連なるケヤキ並木。
CMなどでも有名な場所の一つだ。
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新緑のケヤキの時期や雪景色の時など、訪れる季節や時間帯によっても表情がかわるらしい。

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米どころ庄内のシンボルとしても知られる「山居倉庫」は、旧庄内藩の酒井家により、
1893(明治26)年、酒田米穀取引所の付属倉庫として建てられた米保管倉庫だ。


庄内が米どころとして発展した江戸時代、初代藩主の酒井忠勝は稲作を奨励。
酒田港は上方への庄内米の積出港として繁栄し、町は活況を呈したそうだ。
しかし、明治時代に入ると政府の新しい方針によって米生産が不安定な状況に陥り、
農民の暮らしを圧迫。米の品質も次第に悪くなっていった。
ここで立ち上がったのが例の豪商「本間家」だ。
米の品質の悪化を危惧した本間家は、酒田の米商人らを救うために
「米商会所」の設立と経営を旧藩主酒井家に進言。
そして「酒田米商会所」開業を果たし、その後、最上川と新井田川の中洲の
「山居島」に附属倉庫を新設したという。
これが、「山居倉庫」のはじまりとされる。


当時、入庫する米は厳格な規格のもとに等級化され、黒地に白文字で「庄内米」
書かれた最高級米として、全国各地に出荷されたという。



何故、こんなに詳しいのかというと、山口・萩に続き、ここでも
現地ボランティアガイドのおじさんに30分近く解説してもらったため(笑)。。。
歴史や地理に関する話は好きだし、勉強になってなかなか面白かった!



敷地内は奥まで倉庫が続き、米の積出港として賑わった往時の雰囲気を今に伝える。
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今は合計9棟からなる倉庫の米の収容能力は10,800トン(18万俵)
一つの蔵に2万俵(120万キロ!!)の庄内米を収納していた計算になる(驚)。


ここから全国に流通していた「庄内米」のおいしさの秘密は、倉庫の構造にあるという。
周囲を塗り固めた白壁の土蔵造は、合掌窓や側窓など数々の窓を備え、
土蔵と屋根の間に空間を作ることで通気性を保ち、積み重ねた俵の熱の放散と
屋根からの伝導熱を防ぐ役割の「二重屋根」で温度調整を行う。
倉庫外に美しく並ぶけやき並木は、海からの西風と夏の直射日光から作物を守る
目的で植栽されたいう。
まさに自然のチカラを利用した先人たちの知恵が詰まった米蔵でもあったのだ。


質の高い美味しい米を市場の需要に応じて必要な時に供給する。
米が多く出回って価格が安いときには敢えて出荷を控え、少なくなった時期を見極めて
質の高い美味しい米をある程度の価格設定で出荷する。
米蔵の構造は、このような酒田の米のビジネス戦略にも大いに貢献したという。



建設された14棟のうち、12棟が現在も残り、9棟は昨年の夏まで実際の米穀の専用倉庫として、
利用されていたが、昨年9月に米倉庫としての役割を終えたのだそうだ。
残りの3棟は「庄内米歴史資料館」や酒田市観光物産館として利用されている。


●吉永小百合さんのJR東日本の懐かしいCMを思い出すカット。。。
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●敷地内にある「山居稲荷神社」
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ボランティアガイドのおじさんに言われるまで気づかなかったが、
しめ縄飾りがお米の俵のカタチをしている。
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豊穣を願う祈りのカタチをあらわした、この地方ならではのものなのだそう。


また、庄内地方では仏壇の上(またはその近く)に神棚が置かれているのは
ごく普通の光景なのだそうだ。


この地方では、「33年間の供養を受けて家の仏からその地域の祖霊になり、神棚にお迎えする」
という特徴的な信仰のカタチがあり、死者供養を33年間続けると、その死者の魂は
月山もしくは鳥海山の頂で神となって鎮まるという民族信仰が残っているという。


この話もボランティアガイドのおじさんからレクチャーを受けた。。。

やはり羽黒修験道などと結びつきの強い「出羽三山」に近いこのエリアならではの
代々受け継がれてきた信仰の歴史なのだろう。。。


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ガイドのおじさんと話し込んでしまって予定時間オーバー(汗)。
早くお昼を食べに行かなければっ!!


さて何を食べよう。。。



続く。。。





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Commented by jyon-non3 at 2023-03-26 22:27
いいところですねぇ。ほんとに。

いつか行けたらと。🌸
Commented by forestkoro1015 at 2023-03-30 16:56
jyon-non3さま

此方にもコメント有難うございます。
その昔、北前船で大変に栄えた酒田ですが、
今は交通の便が悪くて、なかなかアクセスが難しいエリアだそうです。
レクチャーしてくれたボランティアガイドのおじさんが話していましたが
「新幹線も通らず、高速道路もない場所」だそうで
どんどん置いていかれてしまうまちでもあるらしく。。。


が、だからその分、鄙びていて、とても良い街に感じました。
藤沢周平の故郷、鶴岡もとても良い街なのでセットで訪れると
よろしいかも・・・・。
鹿児島からは少し遠いですが、庄内空港からはすぐです(でもないな・笑)。。。

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by forestkoro1015 | 2023-03-25 16:17 | 山形関連 | Trackback | Comments(2)

美味しかったもの、楽しかったこと、旅の思い出などを徒然にご紹介します。


by forestkoro1015