昨今まれに見る骨太なドラマ。──「エルピス」
2022年 12月 27日
視聴率はそれほど高くないが、時々、「ハッ!」とさせられるような
見応えのある面白いドラマに出合うことがある。
昨晩、最終回が放送された関テレ制作の「エルピス」も、
昨今まれに見る骨太で面白いドラマだった。
どうも最近のTVドラマは似たりよったりというか、リアタイで観たいと思えるモノが少なく
Tverなどの見逃し配信で観ることが多かったのだけれど、この作品は違った。
何の前情報もなく、Tverで眺めていた第二話で、安倍前首相の東京オリンピック
招致の際の「原発はアンダーコントロールされている!」という例の発言が
当時の映像そのままに流されていたのだ(驚)。
「えっ、こんな映像が今の日本で流せるの???」「本当に流していいの?」。。。
新聞やテレビなどのメディアの情報発信力や発言力が政治のチカラ(圧力)によって
細かく規制され、ちょっとでも政府に批判めいた発言をしたコメンテーターは
視聴者の前から姿を消す。。。そんな混沌とした暗闇の時代に、一筋の光を見たような
そんなすごい衝撃が走った。
Tverなどの見逃し配信のすごいところは期限内なら何度でもリピートできるところだ。
「さっきのは間違いじゃないよね!」と何度か見直し、これはすごいドラマが登場した!!
と、毎週月曜日はほぼリアタイ(オンエアされている時間帯に観る)で鑑賞するようになった。
ストーリーの詳細は省くが、落ち目のニュースキャスターと若手ディレクターが
ある冤罪事件をきっかけに、その裏にくすぶる政治のチカラや世の中の矛盾をあぶり出し、
様々に理不尽な問題に直面しながら、もがきながらも自分たちの答えを見いだし
本当に正しいこととは何なのかを解き明かしていく。
一言でいってしまえば簡単なのだけれど、緻密に取材を重ね、裏をとり、一人ずつ、
自分たちの仲間を増やしていく(彼らを取り巻く敵もまた多いのだけれど)。
主演の3人はもちろん、脇をかためる俳優陣(岡部たかし氏がすごかった!)もよかったが、
何よりも渡辺あやという脚本家が表現する台詞が
すごかった。一言ひとことがストレートに心に刺さってくる。
そう、全体がTVドラマというよりは、一つの映画作品のようなつくりなのだ。
ドラマの中の伏線は昨日の最終回の中ですべて回収され、エンドロールにはこの作品に関わった
すべてのスタッフたちの名前が流れる。
国民から高い視聴料をむしりとるNHKでさえ、くだらないバラエティーやスポーツ番組が
多くなっている今、このように質の高いドラマは異質だ。
いや、実はこのようなドラマこそ待ち望まれていた作品だったのかもしれない。
実際。観る側の私たちも試されているのかもしれない。
私たちはこのような骨太のドラマがもっと観たいのだ!!
1月末に発売予定の「シナリオブック」を早々に予約してしまった。
全く関係ないのだけれど、先ほど届いた「陳建一先生監修」の蒸し鍋。
愛用していた前の鍋(同型)の取手が取れてしまったため、同じモデルを購入。
中華饅頭もレンチンするよりはるかに美味しくできる。
同じ型のお品を購入したはずなのに、鍋の大きさも高さも少しずつ成長していた(笑)。
by forestkoro1015
| 2022-12-27 18:47
| 映画作品・TV作品
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