「ある男」@シアタス調布
2022年 11月 19日
最近、面白いと思う本に出会えない。
書評で絶賛され、図書館で何ヶ月待って借りても、「ハズレ」ばかり。。。
昔から速読を得意とする私でも読むに堪えないものが少なくない。
そんな中で映画化という話しを聞いた時から楽しみにしていた作品が
平野啓一郎氏の「ある男」だった。
公開当日の昨日は朝イチから映画館にGO!!
原作はミステリー色が強いが、映画自体はさすがの出来映え。
説明的な台詞を一切省いたそれぞれのシーンの描写がナイフのようにヒリヒリと突き刺さり、
何故そうなったのか、そうならざるを得なかったのか、
観るものたちを圧倒せざるには置かない。
「愛したはずの夫は全くの別人だった。一体、彼は何モノなのか。」
幸せに暮らしていた家族をある日、突然に襲う悲劇。。。
ヘイトスピーチなどの社会に潜む差別的な民族意識や自分ではどうにもならない
生まれついての血筋の問題など、世の中にはままならない偏見やモノの見方が存在する。
最近、取り沙汰される「親ガチャ」などもその一つかもしれない。
やっとの思いで掴んだ幸せを一緒に紡ぎ上げようとする安藤の切なさが悲しい。
イケメン弁護士先生の妻夫木はどこまでもミステリアスだ。
そしてキーマンはやはり柄本だろうか。。。
ネタバレになってしまうので詳細は書けないのだけれど。。。
それぞれの俳優陣がそれぞれに素晴らしく、どのシーンを観ていてもその活躍ぶりが光る。
ボクシングジムの人たちのあたたかさも印象に残った。
そして原作と違うラストが秀逸。そうくるかーと思わず唸ってしまった。
個人的には仲野太賀の使い方がちともったいないような気もしたのだけれど
それはそれで良かったのかもしれない。
久しぶりに映画館で観た映画が面白くてなんだかうれしくなってしまった。
が、後ろにいた咳払い女が最悪!!
5秒に1回、佳境にはいってからは15秒に1回ぐらいの割合で咳払いをする。
ノドの調子が悪いなら、映画館に来るなよっ(💢×∞)。
映画館の守るべきマナーの中に騒音を立てるなという注意書きはあるが、
その中に咳払いも含んでほしい。
オススメ度 : ☆☆☆☆★(4.5)
by forestkoro1015
| 2022-11-19 21:57
| 映画作品・TV作品
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