瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)


瀬戸内海の小豆島に渡る前に、アート鑑賞を兼ねて「豊島」(てしま)へ寄り道
「ベネッセハウス ミュージアム」で有名な「直島」「小豆島」に挟まれた
「豊島」は、14.5平方kmに人口800人が暮らす小さな島だ。

瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12174265.jpeg


島の中央には瀬戸内海を一望できる「檀山」(標高340m)があり、
そこから湧き出る湧水や雨水が、豊島石を通って浄化され、
現在に至るまで豊島の稲作、農業、人々の暮らしを支えてきたという。


一時期、産業廃棄物の不法投棄で全国的にも有名になったが、現在ではそれらの処理も進み
2010年には「豊島美術館」をはじめとした現代アートの施設もできて
国内外から多くの観光客が訪れる島になったそうだ。



そうはいっても、コロナ禍の影響もあるのだろう。島を訪れる人はそんなに多くはない。
7時43分に高松港を出航した船は、30分ほどで豊島・家浦港に到着する。
まだ朝だし、港はちょっと寂しい感じ。。。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12170541.jpeg
小豆島との位置関係がわかる案内図。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12170110.jpeg
少し先に「豊島横尾館」「針工場」などのアート施設、飲食店もあるが、いずれも10時オープン。
お目当ての「豊島美術館」などは島の反対側(唐櫃エリア)にあるので、島民の足でもある
ミニバスに乗って移動することにした。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12165666.jpeg
朝のバスは空いていて客は私一人。島の北側をゆっくり走りながら「唐櫃エリア」をめざす。
途中、「豊島美術館前」の停留所を経て
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12170953.jpeg
唐櫃港のバス亭に到着。
「小豆島」へのフェリーもこの港から出ている。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12171201.jpeg
目の前にあるレンタサイクル屋に荷物を預け、電動アシスト付き自転車を借りる。
自転車屋のおじさんは話し好きで、「まだどこもやっとらんから、棚田でも眺めて
美術館のオープンまで時間を潰せば良い!」とのこと。


豊島のある香川県も「まん防」の対象エリアということもあって、
クローズしている店や施設が少なくない。
先ほどの「家浦港」まで電動チャリで戻ると片道40分程度とのこと。
「ささやきの森」について尋ねると、もう一人、おじさんが出てきて、「何もないから
行かない方が良い!行くだけ損!」だそうだ(笑)。



そんな訳で、「豊島美術館」を上から見下ろす位置にある「棚田」をめざす。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12172478.jpeg
2010年の「瀬戸内国際芸術祭」の開催にあたり、唐櫃地区に広がる休耕田の整備に取り組み
約1年間で約6ヘクタール、250枚に及ぶ田畑を甦らせたのだそうだ。
現在はお米や果樹などの栽培を行っている。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12172731.jpeg

瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12173161.jpeg

美しい棚田風景に溶け込むように佇んでいる「豊島美術館」
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12173540.jpeg
近づいてみる。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12173800.jpeg
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12174265.jpeg
角度をかえて。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12174502.jpeg


今回、寄り道しても訪れてみたかったスポットの一つ、「豊島美術館」のオープンは10時。
チケットは事前予約制だ。
アーティスト・内藤礼と建築家・西沢立衛によるこの美術館は、地元住民と共に再生させた
棚田の一角に設置された、水滴のような形をした建造物だ。


広さ約40×60m、高さ4.3m(最高)の空間に柱が1本もないコンクリート・シェル構造で、
天井にある2箇所の開口部から、周囲の風、音、光を内部に直接取り込み、
大自然と建物が呼応する有機的な空間なのだそうだ。
内部の空間では、ふつふつと湧き出るように「泉」が誕生・・・。
無機質なスペースの中に、自然の移ろいを巧みに取り込んだその不思議かつ深遠な情景は、
広大な宇宙の片隅にかろうじて存在するちっぽけな自分というものを
より鮮明に印象づける。
季節ごとに訪れたら、きっとまた違う感想を持ちそうな予感さえある。



施設内は撮影禁止。室内履きに履き替えて入館する。
誰も声を発することなく、風の音しか聞こえない、まさに無音の世界。。。
(※写真は借り物です。)
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12183039.jpg
※ポストカードから。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12181272.jpg

※ポストカードから。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12180887.jpg
宇宙空間をイメージさせるような「無の世界」で、何時間過ごしていてもたぶん飽きないと
思うのだけれど、とにかく寒い(コンクリートだし、オープンエアだし・笑)。


それでも、はるばる訪れたので40分ぐらいは粘っただろうか。。。
靴を履き替えて併設のカフェへ駆け込む。


二つ並んでいる小さな方の水滴の建物だ。
中はこのような感じ(※写真は借り物です。)。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12181808.jpg
とにかく温かい飲み物で温まりたいということで、「カフェオレ」を所望。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12175649.jpeg
「ホッと一息!」(笑)。


此方の天窓にはちゃんとガラスが入っていた。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12180087.jpeg
カフェ入口。宇宙船の入口のよう。。。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12180438.jpeg

駐車場前からの風景。
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12174963.jpeg
瀬戸内でアートに触れる。──「豊島美術館」(小豆島への旅・その2)_d0352022_12175221.jpeg

豊島美術館を出ると、まだ11時15分だ。
12時10分の船に乗る前に、「心臓音のアーカイブ」という美術館をめざすことにした。
電動チャリでなだらかな坂を駆け下りるのは結構、楽しい(笑)。



長くなるので、「心臓音のアーカイブ」編は改めてご紹介しよう。




●豊島美術館
香川県小豆郡土庄町豊島唐櫃607
Tel : 0879-68-3555
3月1日 〜 10月31日
10:00 〜 17:00(最終入館16:30)
11月1日 〜 2月末日
10:00 〜 16:00(最終入館15:30)
休館日:火曜日(3月1日〜11月30日)
火曜日から木曜日(12月1日〜2月末日)
※ただし祝日の場合は開館、翌日休館
※ただし月曜日が祝日の場合は、火曜日開館、翌水曜日休館
鑑賞料金:1,570円
※15歳以下無料
※事前予約制
https://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html




名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by forestkoro1015 | 2022-03-22 15:40 | 美術館・展覧会・LIVE | Trackback | Comments(0)

美味しかったもの、楽しかったこと、旅の思い出などを徒然にご紹介します。


by forestkoro1015