TVドラマに登場する洋食店。──「Homer」@武蔵小金井

小金井で最も古い部類に属するお店は1954年創業という某老舗フレンチ

（小金井CC帰りの客が食事が楽しめるようにオープンしたのがはじまりだそう）だが、

此方の「Homer」も1970年創業という界隈では古株の洋食レストランだ。

運転免許試験場にほど近い東八道路沿いに位置していることもあり、ファミレスの一つと

ずっと思っていたのだけれど、チェーン店でもないし、フランチャイズでもなく、

もちろんセントラルキッチン方式のお店でもない。

テーブルのベルを鳴らすとスタッフさんが飛んでくるお店でもないし、ドリンクバーが楽しめるお店でもない。

そればかりか紺色の制服に身を包んだウェイトレスの方々が、銀色の丸いお盆をもって店内を行き来するお店だ。

さながらその雰囲気は一昔前の「デパ食」をも彷彿とさせる。

そして「レンジでチン！」する巷のファミレスとは異なり、一つひとつ手間をかけて作っているからだろう

（たぶん）。お料理が出てくるまでに多少の時間を要する。

が、お昼時ともなれば、20台分ぐらいある駐車場も、40人ぐらい座れる店内もいつも賑わっているのは、

割とボリューミーでそこそこにおいしい洋食メニューが様々に楽しめるからに他ならない。

この日も久しぶりに訪問。6種類から選べるランチメニューの中からお肉メインの

Aランチ「イタリアンハンバーグステーキ」（1,260円）を注文。

通常のファミレスだったら「パン」か「ライス」を選ぶ訳だが、此方では自動的に

「ライス」が選択される。

ノンビリ待っていると、やがて注文したお品が年季の入った木のお盆に載せられて運ばれてきた。

割と厚みのある大きなハンバーグにはチーズがトッピングされ、少し酸味のあるトマト風味の

デミグラスソースがたっぷりとかけられている。

ハンバーグはみっしりとしてなかなか食べ応えがある。

いささかトマトの酸味が強すぎるような印象も受けるが充分に許容範囲内。

すごくおいしくて感動するほどではないが、なんだか懐かしささえ感じられるショーワな味わいのハンバーグだ。

お野菜高騰の折に、このてんこ盛りのサラダと付け合わせの人参やホウレン草はうれしい。

自家製マヨネーズとドレッシングでいただくサラダにはオクラや大根まで入っていた（驚）。

コーンスープも優しい味わい。。。

一度にたっぷり炊くからだろうか。ライスもおいしくいただけた。

そして食後のコーヒーは、昔の喫茶店で登場したような濃ゆい感じ。

銀製のピッチャーとシュガーポットが良い味を醸し出している。

そういえばナイフとフォークも重たくてドッシリしていたが銀製だったのだろうか。。。

此方は元SMAPの草彅剛くん主演の「僕と彼女と彼女の生きる道」というTVドラマのロケに

使用されたお店の一つだ。

ある日、妻に去られて娘を育てることになった主人公はやがて銀行をやめ、夢だった料理人をめざして

弟子としての道を歩き始める。ここは彼が皿洗いの人生をスタートさせた店という設定だった。

もう10年以上も前に放映されたドラマだが、厨房の向こうに草彅くんがいるような錯覚さえ覚えてしまうのだから、

テレビの力とは実に偉大だ（笑）。何でも当時はロケ現場を訪ねるファンが日参して大変だったそうだ。。。

それ以外にも数々のドラマに登場しているらしいが、通常は界隈に暮らす老若男女たちの普段使いか、

ちょっとだけよそゆき気分使いの時に支持されているお店のようだ。

1970年7月、日本初のファミリーレストランとして「すかいらーく1号店」が府中の国道20号沿いに

誕生したが、時代の流れと共にファミリーレストランの使命も変化し、数年前にとうとう

「すかいらーく」というファミレスは姿を消してしまった。

一方、時を同じくして誕生した此方は今でも地元客を中心にそこそこ賑わっている。

一時の勢いで流行るものは廃れていくのも早い。此方にはどうかいつまでも今のままのスタイルを維持しながら頑張ってほしい。

ごちそうさまでした☆

※文中表記価格は訪問時のお値段となります。

●Homer（ホーマー）

東京都小金井市前原町5-8-26

042-384-1183

ＪＲ中央本線武蔵小金井駅南口より徒歩約１８分。

小金井街道を府中方面に歩いて東八道路との交差点「前原交番前」近く、

東八道路に面して駐車場をかまえて店があります。

京王バス　前原交番西又は前原歩道橋下バス停

[土日祝] 10:30 - 22:00(L.O.21:00)

[平日] 10:30 - 15:30(L.O.14:30) 17:30 - 22:00(L.O.21:00)

無休

駐車場店横に20台弱

1970年オープン

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