1403・早春の京都・奈良散策紀行 vol.13──重たすぎる系譜。@「日本料理 花菊」(奈良ホテル 和食ディナー編)

奈良ホテル2泊目は和食をいただいてみることにした。。。
此方は「メインダイニングルーム三笠」から売店脇を通り抜けた先のエスカレーターで
1フロア分下った先(新館4階にあたるのだそう)に位置している。


赤い暖簾の向こう側にはゆったりとした空間が広がっている。
が、テーブルレイアウトの問題もあるのだろう。
「メインダイニング」と比べると相当にカジュアルな雰囲気。
いささか「ゆったりめの大食堂」はたまたオープンスペースの結婚式場的な雰囲気(大変に失礼!)も
否めなくもない。


「なんだかなー!」と思って隣のテーブルに目をやると、
一人のおじさまがお部屋のスリッパを履いて食事をされていた(爆)。
その後、ずっとこの「スリッパ」が気になってしまうのだけれど(笑)。。。


気を取り直してお料理をご紹介しよう。
此方の懐石料理は「天平」(13,860円)、「白鳳」(10,395円)、「飛鳥」(8,085円)と
3種類の設定。「天平」は別格だが、「白鳳」と「飛鳥」の違いは1~2品少ないだけらしいので、
「飛鳥」をお願いしてみることにした。


●当日いたただいたお料理:「飛鳥懐石」
・御先付:春野菜白和え くこの実 柚子
・御前菜:海老紫煮 螢烏賊沖漬け うすい豆カステラ風
     花山葵胡麻浸し 烏賊雲丹焼き
・御吸物:清汁仕立 筍新蒸 桜大根 人参 若布 あられ 
     木の芽
・御造里:お造り三種盛り 芽物一式
・御焼物:筍 メロ 帆立 蟹爪 木の芽味噌焼き
・御蒸物:桜蒸し 甘鯛 銀餡 とき山葵
・御小鉢:大和まなのお浸し
・御油物:白魚湯葉巻き香草新挽き揚げ
     茄子 エリンギ 青唐 ハバネロ卸 煎出汁
・御留椀:味噌仕立
・御飯 :奈良産ひのひかり 香の物
・御宝石:デザート


●当日いただいたアルコール
・とりビー
・稲天 吟醸(奈良・稲田酒造)


朝食でいただいた「茶がゆ定食」が美味しかったので、此方の和食も期待していたのだけれど、
本館にある「メインダイニングルーム」と新館にある「和食処」の此方は
別物であることを思い知らされてしまった。


京都の和食店で繊細で上品な「素材の味を最大限に活かしたテイスト」を味わい尽くした後
ということもあるのだけれど、味付けもサービスもすべてにおいて「?」が点滅してしまう。。。
「奈良ホテル」内のレストランということを考慮すると、「?」の数は増えるばかりだ。
散々、ご馳走三昧を楽しんだ後なので仕方ないことなのだろうか。。。


印象に残ったのは「前菜」と「焼物」「油物」あたり。
前菜の「うすい豆カステラ風」「烏賊雲丹焼き」「螢烏賊」は好物ということもあって
美味しくいただけた。
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お吸物に至っては、盛り付けは美しいのだけれど味付けがまるで関東風!!
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ここ数日、繊細な薄味のお椀ばかりをいただいてきたので、尚更、塩気が強く感じられる。


お造りはまぐろ、鯛、ますの三種盛り。
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すっきりとした辛口の「稲天 吟醸」と共にいただく(嬉)。
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美味しくないことはないのだけれど、毎日いただいているとそろそろ飽きてくる(笑)。


焼物は、筍 メロ 帆立 蟹爪を木の芽味噌で焼きあげた「春の香り満載」の美味しい一皿。
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これは個人的にもかなり気に入ったお品で、熱々の香り高い木の芽味噌の芳ばしさが
鼻腔をくすぐる。ちなみに「メロ」とは「銀ダラ」のことでもあるらしい。
この木の芽味噌に白いご飯をまぶしてたべたかった(笑)。


蒸物は「甘鯛の桜蒸し」。
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美味しい春の風物詩の一つで熱々で提供されるのだけれど、
哀しいかな、これもいささか銀餡のお出汁が濃いように感じた。
が、見た目の繊細さは素晴らしくて、まるで「道明寺」に見える(笑)。


小鉢は奈良の伝統野菜である「大和まな」のお浸し。
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「大和まな」とは古くからあるアブラナ科の一種で、そのルーツは古事記に記された
「菘菜(あおな)」とも言われているのだそうで、そのみずみずしさと、
噛んだ瞬間に口の中に広がるうま味と甘みが特徴なのだそうだ。
此方は全体的に薄味で上品な仕上がり!が、量が少なすぎて味がよくわからなかった(笑)。


油物は、「白魚湯葉巻き香草新挽き揚げ 茄子 エリンギ 青唐の天ぷら」。
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変わり揚げの一種というこの「白魚の湯葉巻き」は、普通の天ぷらとは異なる
ちょっと変わった食感で美味しくいただけた。
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奈良県産ひのひかりの御飯とお味噌汁(これも味はしっかりと濃い!)をいただき、
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デザートにメロンといちご、わらび餅をいただいてフィニッシュ!!
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うーむ、なんだろう。地のモノをあれこれと採り入れて工夫されている割には、
全体的にフラットすぎる印象で今一つ盛りあがりに欠ける。
和服姿のスタッフの方々も淡々とお料理を運んできて黙々と仕事をこなしているイメージ。。。
8割方お席が埋まっている割に、寒々とした空気感が伝わってくるのは、
単に高い天井のせいだけではないように思う。

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お茶のお代わりをお願いしたところ、茶器の差し替えもしないで、
飲みかけのお茶の上にそのままぬるいお茶をつぎ足してくれるサービスには驚かされた。
試しに「熱いお茶がいただきたい!」と言ってみたところ、
やはり飲みかけのお茶の上に「少し熱いお茶」を注いでくれた(笑)。。。
街場の食堂ならよくありがちな光景だが、一応、由緒正しき「奈良ホテル」の中にある和食処
なのだし、「新しいお茶をお持ちしましょう!」ぐらいのサービスはあっても
然るべきだったように思う。
「スリッパ」を履いた客(!)がいるお店だから仕方ないのかもしれないけれど、
なんだかなーと思いながら店を後にしたのだった。。。


今回の旅行で唯一外したお店というと、誠に申し訳ないのだけれど、
母と意見が一致してどうしても此方になってしまう。。。


「奈良ホテル」の看板を担う和食処として、お料理にもサービスにも
もう少しばかりの精進を期待したい。

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ごちそうさまでした☆






●日本料理 花菊
奈良県奈良市高畑町1096 奈良ホテル 新館4F
0742-26-3300
営業時間
11:30~14:00
17:30~21:00
無休
http://www.narahotel.co.jp/



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by forestkoro1015 | 2014-04-16 23:19 | 奈良関連 | Trackback | Comments(0)

美味しかったもの、楽しかったこと、旅の思い出などを徒然にご紹介します。


by forestkoro1015