久しぶりの映画は
「ミッドナイトスワン」。
ご存じ、新しい地図の「草なぎ剛」くんがトランスジェンダーの凪沙として
一果という親戚の女の子と出会い、そのバレエの才能をさらに開花させながら
自らの中に秘められた母性ともがきながら向き合っていく
儚くも強く、美しくて悲しいラブストーリーだ。
草なぎくんのファンの一人として公開前からとても気になっていたのだけれど
9月25日の公開初日に早速鑑賞してきた。
薄暗くて雑然とした新宿のショーパブの楽屋。。。
白鳥の衣裳に身を包んでメイクをする草なぎくんをはじめとした仲間たちの
姿からストーリーは始まる。
飲んだくれの母親と暮らしながら荒んだ生活を送る一人の少女、一果。
この二人がある日、ひょんなことから一緒に暮らし始める。
公開になったばかりなので詳細は控えるが、草なぎくんがとにかくすごい。
役になりきっているというか、トランスジェンダーの女性が帰依しているという感じで
一挙手一投足に演技を越えた女性らしい色気が滲み出ている。
そのまなざしはとても深くて寂しい。まるで人生をすべてあきらめているような。。。
一方の一果も無表情でポーカーフェイスだ。
すべてに投げやりで喜怒哀楽がない。
そんな少女がバレエに出会ったことで子供らしい明るさを取り戻し、自分の夢を
自分の手で掴むために努力することを知っていく。
その後押しをするのが、自らに秘められた母性に目覚めた草なぎくんだ。
バレエを踊る一果は踊るほどに美しくその才能を開花させていく。
その姿を見守る草なぎくんは。。。。
観る者を魅了し、圧倒せざるを得ない結末へと物語は進んでいく。
母性に目覚めた草なぎくんの瞳が温かくて切ない。
そして「いただきますは?」という台詞のシーンに激しく心を揺さぶられる。
自らの信じるものは何なのか。。。
少女は実の母親とは違う彼女から何を得たのか。。。
トランスジェンダーの世界は今だよくわからないが
彼女たちの心の叫びはたしかに聞こえたような気がした。
まだまだこの国では認められにくいが、少しでも彼らの気持ちが理解されるようになってほしい。
そんな気持ちを感じつつ、観終わった後にはしばらく立ち上がれない自分がそこにいた。
ぜひ劇場に足を運んで見て欲しい作品の一つだと思う。
オススメ!!