今回の旅の目的の一つが
「ニッカウヰスキー 宮城峡蒸留所」だった。
2度目の訪問となる今回はお宿からの送迎バスでアクセス。
秋の山々に抱かれた凜とした空気感が心地良い。
1934年(昭和9年)、北海道・余市に
「余市蒸留所」を建てたニッカウヰスキー創業者、
竹鶴政孝が、ウイスキーづくりの集大成として1969年に建設したのが、
霧深い峡谷に流れる二つの川と緑の森が華やかで軽やかなモルトを育む
「ニッカウヰスキー 宮城峡蒸留所」だ。
彼がめざしたのは、複数の蒸留所で生まれた個性の異なる原酒をブレンドし、
より芳醇なウイスキーを作ることだったという。
数年前に「余市蒸留所」を訪れて以来、長年の課題となっていた此方、
ガイドツアー(無料!)は9時から30分おきのスタートとなる(最終出発は15:30)。
10時のスタートまで少し時間があるのでビジターセンターでお勉強。
このエピソードは知らなかった。。。
10時になるとビデオ映像を鑑賞(約10分)。
その後、スタッフさんの案内のもと、蒸留所内をめぐる(約30分)。
白鳥が優雅に泳ぐ池の脇を通って向かうのは、蒸溜棟(カフェ式連続式蒸留機:右の建物)と
乾燥棟(キルン棟)(左の建物)。
このユニークな形のキルン棟は現在は使用されていなくて、乾燥は左の建物で行っているそう。仕込棟(ガラス越しに見学)。
糖化:細かく砕いたモルトと65℃前後の温水をゆっくり混ぜ合わせる。
麦芽の中の酵素が働き、甘い麦汁ができる(マッシング)。
醗酵:濾過した麦汁に酵母を加えて発酵させると、糖分がアルコールに分解され、
アルコール分7〜8%の醗酵液(もろみ)ができる。
蒸溜棟(単式蒸留器)。
醗酵液(もろみ)を加熱し、アルコール分と香味成分を抽出。
ポットスチルにしめ縄が飾られているのは、広島の造り酒屋で育った竹鶴のこだわり。
余市蒸留所のポットスチルが
「ストレートヘッド型」なのに対して
宮城峡蒸留所は胴部分に膨らみを持つ
「バルジ型」を採用している。
構内の道をテクテクと歩いて貯蔵庫へ。。。
2014年に放映されたNHK「マッサン」でも実際に使用されたポットスチル。
山々の紅葉がキレイ。。。
電柱や電線が一切なくし、自然との共生をめざした宮城峡蒸留所のこだわりの設計思想。
貯蔵庫。
蒸溜液をアルコール分63%程度に調整し、樽に詰めて長期間熟成させる。
樽材の成分や熟成の間の気温・湿度などにより、様々な個性を持つ香り高い琥珀色の液体へと
変化していく。
サントリー山崎蒸留所の貯蔵庫の方が、庫内に漂うウイスキーの香りは強かったような。。。
まぁ、それがニッカとサントリーの違いでもあるのだろう。。。
最後はギフトショップに併設されたテイスティングコーナーでお待ちかねの試飲タイムだ。
試飲に入る前にまたまたビデオを鑑賞。試飲するウイスキーについて事前学習。
これは「余市蒸留所」で購入してきたお品がまだ自宅に残っている。
お隣のテイスティングカウンターに移動。
3種類一人一杯ずつの試飲を楽しむ。
やはり宮城峡の空気に触れ、蒸溜工程についてじっくり学んできたからだろう。
普段はあまり積極的にいただくことの少ない「宮城峡」のシングルモルトが
華やかで深みがあって美味しく感じる。
但し、じっくり味わうには少し量が少なかったかな(笑)。
有料試飲コーナーでも300円/15mlぐらいから楽しむことができるよう。。。
が、病み上がりだし、午後は「山寺」が控えているのでジッと我慢(笑)。
ギフトショップで「宮城峡 2000'S」を購入し、宿のお迎えのバスに乗って作並駅を
めざしたのだった。
なお、竹鶴ブランドの伝道師「竹鶴アンバサダー」がいるお店は此方。
新宿にもあるようなので、今度出かけてみなければなるまい。
「余市蒸留所」とはまた違った雰囲気があって、ウイスキー好きでなくても
たぶん楽しめる場所だ。
昨秋の「白州蒸留所」、今夏の「山崎蒸留所」に続いて、なかなか興味深い蒸留所見学だった。
ごちそうさまでした☆
※ニッカウヰスキー「余市蒸留所」を訪問した時の記事は
同じく
※サントリー「白州蒸留所」を訪問した時の記事は
※サントリー「山崎蒸留所」を訪問した時の記事は
●ニッカウヰスキー 宮城峡蒸留所
宮城県仙台市青葉区ニツカ1
022-395-2865
9:00~16:30
年末年始休
http://www.nikka.com/reason/introduction/miyagikyo/visit.html