おもてなしの心。──「割烹たいら」@仏光寺通り
2018年 08月 23日
京都での夕食は仏光寺通りにある「割烹たいら」さんへ。。。
当夜はお盆休み中ということもあるのだろう。お友だちと私の貸切。平さんとサーヴィス担当の女性の
そして乾杯!柑橘系の爽やかな苦味がエレガントな味わいを際立たせる奥ゆかしいテイスト。
お友だちの解説によると、此方の定番の一品目とのこと。
美しい器にそれぞれ盛りつけられたお料理に思わず歓声が上がる。。。
○トマトとじゃこの和え物 やや酸味を効かせたお出汁をからませたじゃこが、甘〜いトマトと合わさって涼やかな美味しさ。
お出汁と塩だけで炊き上げたというこの「鱧の卵」はプチプチと口の中で弾ける珍味!!
左から「京都・山城国 建都」(京都・城陽酒造)、
和歌山で獲れた「メイチダイ」。軽くしめて4日目とのこと。
あまり聞かない名前の鯛だが、脂がのっていて甘みがあってめちゃ美味しい。 2種のタレでいただく。
○鱧のお造り なんと!「鱧のお刺身」だ(驚)。「落とし」や「焼き霜」にしない「鱧のお造り」をいただいたのは
この肝和えだけで日本酒が何杯でもいただけそうだ(笑)。
左から「富翁 純米吟醸 全量山田錦」(京都・北川本家)、
私たちが翌日に訪れる予定の徳山鮓さんを多分に意識されているのだろう。登場したのは「びわます」。
産地聞き忘れ(恥)。酔いがまわっていたのかも(呆)。
この器も素敵だ。だいぶお腹がいっぱいだなーと思いつつ、たこをモグモグ。。。
ヒンヤリとした爽やかな食感のお野菜は別腹。スプーン載せたままの撮影で失礼(恥)!!
満腹加減を確認した上で用意された一皿。 これまた味わったことのない絶妙の美味しさ♪
山梨の桃のコンポートと京都の丹波小豆を用いた最中。
ミシュラン3つ星店の「千花」で20年修行され、その後、独立された平さんの
お店に伺うのは初めてだが、昨年の余呉・徳山鮓ツアーの際にご一緒させていただいて
その楽しいお人柄に魅せられてしまった。
今回はお友だちにお願いして、1年ぶりに再会の運びとなった。
仏光寺通りをテクテク歩いていくと、古い町屋をリノベーションした飲食店が目に入る。
その一つが「割烹たいら」さんだ。
店内はカウンターのみの8席。細長い店内の奥には趣きのある坪庭が設えられている。
セッティング。
4名のみだ。
「泡が飲みたい!!」という私たちに「今日は飲む元気ありますね!!」とチェックを入れた上で
平さんがセラーから出してきたのは「Brut Conversation Grand Cru NV J.L.Vergnon」。
しかもマグナムボトルだ(驚)。。。
思いのほか、ミネラル感がたっぷりしているようでいくらでも飲めそうだ(オイオイ・汗)。
さて、マグナムのシュワシュワを味わいながらお料理をいただこう。
○組み上げ湯葉 生姜醤油
優しい味わいの組み上げ湯葉に昼間の焼けつくような暑さと疲れが流されていくよう。。。
○小鉢三皿
○浅瓜の胡麻味噌和え
「浅瓜」とは「白瓜」のこと。シャキシャキッとした食感が胡麻味噌と合わさって美味!
○トマトとじゃこの和え物
○鱧の卵
一粒一粒に旨みが詰まっているというような印象。。。
シュワシュワも美味しいのだけれど、これはどうしても日本酒でいただいてみたい!!
とついついわがままモードに(汗)。平さんが用意してくれたのは下記の3本。
「白木久 特別純米酒 無ろ過生原酒 銀シャリ京都丹後産「ササニシキ」」(京都・白杉酒造)、
「神開 アオコーナー 特別純米無濾過生原酒」(滋賀・藤本酒造)。
すべていただいたことのないお酒で、「建都」が中では一番スッキリとした淡麗辛口という感じ。
お米の旨みがダイレクトに味わえる「銀シャリ」も面白かったが、挑戦者たちをイメージした
「アオコーナー」もフルーティーで味わい深いお酒だった。
○お椀
アンティークな器を彩るのは、だししゃぶにくぐらせた火入れ加減が絶妙なぶりと万願寺。
下には蓴菜(おかひじき?)。お出汁の加減が何ともいえない上品系・・・。美味しい♪
○お造り
あまり聞かない名前の鯛だが、脂がのっていて甘みがあってめちゃ美味しい。
小気味の良い鱧切りの音が響いてくる。。。
はじめて。丁寧に骨を除き、皮をひいて提供される「鱧」はもっちりとした弾力とねっとりした
甘みがあって思わず「プルプル」してしまいそうな美味しさ♪
手前に二つあるのは「鱧の浮き袋」だそう。コリコリッとした此方もはじめていただく。
鱧の肝和え。。。
そんな訳で日本酒を再びいただく(呆)。
「原酒蔵 純米吟醸」
「七本槍 純米 無濾過生原酒」(滋賀・冨田酒造)の3種類を少しずつ飲み比べる。
真ん中の「原酒蔵」が最もワイルドで力強いタイプ。「富翁」は上品なスッキリ系。そして「七本槍」と
いえば、余呉・徳山鮓さんが取り揃える日本酒だ。が、此方はいただいたことがないタイプ。
そしてまた軽快な鱧切りの音が響いてくる。。。
○鱧の落とし
たおやかな味わいの鱧のお出汁でいただく。すだちが華やかな風味を添える。
添えられているのは鱧のお出汁で作ったほわほわの玉子焼き♪
どこから食べても鱧の風味がたっぷりだ。
先ほどのマグナムが空になってしまったらしい(呆)。
次に平さんが用意してくれたのは「Virginie de Valandraud Blanc 2014 Ch,Valandraud 」。
華やかでフレッシュ感あふれる芳醇な味わいのボルドー。。。此方も好きなタイプの白だ。
日本酒も良いけど、やっぱりワインも美味しすぎる。
○びわマスのカマ
びわ湖周辺にしか生息していないというお魚だ。写真ではわからないのだけれど、これがとても大きい!
しかも脂がたっぷりのっていて、どこを食べてもとろけるような旨みが詰まっている。
お友だちと二人で思わず無言になって食べ進み、翌日の余呉に思いを馳せる。。。
○おぼろをまとった鮎
○明石のたこと糸瓜
糸瓜の爽やかな酸味が心地よい。
○無花果と玉蜀黍、新潟枝豆の酢の物
○鱧のお出汁の煮麺
おそうめんの下に、甘辛く炊いた鱧皮と鱧のお出汁が!!
このような感じで自分で合えていただく。
満腹でもう食べられないと思っていたのに、残さずにすべてを美味しくいただいてしまった。
食べた後に一服の清涼感さえ感じてしまう不思議(笑)。
箸休めの昆布。
○水菓子
双方共にお代わりしたくなるほどの美味しさ。。。
実によく飲み、そして食べ、よく笑い、とても楽しく過ごさせていただいた夜だった。
とかく京都の和食店というと、一見客にはなかなか敷居が高いお店も少なくないと伝え聞くが、
此方のお店に限ってはそのような心配は無用。
というのも、ご主人の平さんは程よい距離感をもって、どの客にも分け隔てなく接してくれる。
元々、話し好きで研究熱心な方なのだろう。お話も面白く、店内には笑い声が絶えない。
その一方で気配りのかたまりの人でもある。だからこそこの店に通うファンも少なくないのだろう。
実際「おもてなしの心」というのは、そのような姿勢のことを指すのではないだろうか。。。
しかもご自身がワイン好きなこともあって、ワインへの造詣も深い。
ワインセラーには日本料理に合う厳選ワインをはじめ、お客さまからのお預かりワインも眠っているらしい。
京都を訪れたら是非再訪したいお店がまた一つ増えてしまった。
8席のみのお店なので、来店の際には必ず予約を。
たった一人で料理しながら接客もこなす(サーヴィス担当の女性はいるが)という平さんを見ていて
東京・荒木町の「青華こばやし」のご主人を思い出した。
料理への真摯な姿勢と器へのこだわり、接客スタイルなどは共通するものがあると思う。
ごちそうさまでした☆
●割烹たいら
京都府京都市下京区仏光寺通柳馬場西入ル東前町401
075-341-1608
京都市営地下鉄烏丸線四条駅から徒歩約6分
四条駅(京都市営)から365m
18:00~23:00(入店20:30迄)
月曜休 月1回日曜休
8席(カウンター席)
2012年5月オープン
割烹たいら (割烹・小料理 / 四条駅(京都市営)、烏丸駅、河原町駅)
夜総合点★★★★☆ 4.2
by forestkoro1015
| 2018-08-23 12:03
| 京都関連
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