いにしえびとの知恵。──「菊水飴本舗」@木之本
2017年 08月 09日
近江八幡から彦根を経て、余呉湖まで車を走らせます。
暖簾が出ていないので、とても焦ったのですが、無事に営業しておりました(ほっ!)。。。
その横にディスプレイされていた昔の商標や説明書きなど。 暑いからあまりたくさん陳列していないそうです。
すんごい太さの梁ですよね!
此方の飴は、穀物でんぷんを麦芽糖化した水飴だそうで、砂糖や添加物など一切使用することなく、
余呉湖といえば、「徳山鮓」さんがあることでも有名ですが、あの水上勉が1966年に発表した小説
「湖の琴」(うみのこと)でも知られています。
賤ケ岳山麓の村で大正末期に生糸を紡いだ若い男女の非恋物語とのこと。
残念ながら私は未読なのですが、読んだことのある母によると、この界隈は昔、生糸の生産が盛んで
その強い生糸は「伊香具糸」と呼ばれ、お琴の弦などに使われてきたのだとか。。。
そのような物語の舞台となった「余呉湖」に一度行ってみたい!とことで、
今回、はるばるとやってきました。
周囲は6キロぐらいのとても小さな湖なのですが、今回、はじめて一周することに(車で)。
時間帯にもよるのでしょうが、すれ違った車は2台しかいませんでした(汗)。
途中、道はとても狭くなり、湖に落ちたらイチコロ・・・というような場所も(滝汗)。
「こんなところで落ちたら、誰も見つけてくれないね!」というぐらい静かでヒッソリとした場所でした。
余呉湖のお魚たちの餌にならずに済んで良かったです(笑)。
さて車だったら、是非、立ち寄りたいのが、余呉と木之本のちょうど中間地点の
北国街道(ほっこくかいどう)沿いに位置する「菊水飴本舗」さんです。
一本、脇道にそれるのですが、これが本筋の「北国街道」とのことです。
実は飴が大好きな私、以前からずっとチェックしていて、やっと願いを叶えることができました(嬉)。
此方は創業350年以上の歴史を誇る老舗の飴屋さんで、江戸時代から北国街道名物として
愛されてきた「菊水飴」を昔の製法のままに製造・販売するお店です。
此方は創業当時から伝わる昔の「暖簾」だそうです。歴史を感じさせますね。
店頭ディスプレイ。。。
此方も古くて立派な調度品です。
こんなエピソードも紹介されています。
店内のそこかしこに昔の梁や柱をお使いです。
店主の方が色々解説しながら味見をさせてくれます。
独特の風味をもつ昔懐かしい手造りの飴に仕上がっているのだそうです。
小さな棒にクルクルッと巻いて水飴のようにしていただく柔らかい飴です。
甘すぎることなく、どことなく「ホッ!」とするような優しい味わい。。。
疲れた時にひと口なめると、元気が湧いてくるよう安心感がある飴です。
350年以上前から旅人たちを優しく癒してきた飴だと思うと感慨深いものがありますよね。。。
北国街道を行き来した昔の人たちは、この飴を「おやつ」や「くすり」の代わりとして愛用していたそうで
曲物(プラスチック容器もあります)や竹皮の包装に、当時の面影が偲ばれます。
せっかくはるばると訪ねてきたので、少し多めにお買い上げ(笑)。
もちろんお取り寄せも可能だそうです。
可愛らしいうちわと砂糖をいれて固めて作るという「つぶあめ」をサーヴィスでいただきました(嬉)。
ノドが痛いときなどに、のど飴の代わりとして食べても良いし、お砂糖の代わりにお料理に使ったり、
生姜と混ぜてシロップにしたり、ホットレモンに入れたり、冷やし飴にしたり、
ハチミツのように色々な飲み方や食べ方が楽しめるようです。
包みはこんな感じです(一つ720円)。
中はこのような感じになっています。
マキマキするのがちょっと難しいですが、これがまた楽しい!
すでに一缶、食べきってしまいました(汗)。それぐらいに美味しい飴です。
こんなに長い歴史があるお店なのに、商売ッ気があまりないというか、米原や大津の駅にも置いてないし
(湖北エリアの道の駅では入手可能という情報も見かけました)、
東京などで開催される物産展などでも見かけないところが、勿体ないような気もする反面、
却って好感を覚えます。歴史も浅いのに、異様に高い値段をつけてもったいぶった売り方をするお店も
少なくない中(ヒントは後日・笑)で、このような時代に取り残されたようなお店は誠に貴重だと
思わざるを得ません。どうかいつまでもこの地で頑張り続けてほしいと願う次第です。
ごちそうさまでした☆
●菊水飴本舗
滋賀県長浜市余呉町坂口576
0749-86-2028
10:00~18:00(日没まで))
不定休
http://www.kikusuiame.com/index.html
菊水飴本舗 (スイーツ(その他) / 余呉駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.6
by forestkoro1015
| 2017-08-09 21:55
| 滋賀関連
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