ご存じ「新参者」シリーズの完結編。
日本橋署の刑事・加賀恭一郎。。。彼は何故、16年もの間、一刑事として日本橋署に留まるのか、
長年にわたる父との確執、母の失踪の本当の原因等々、ヴェールに包まれていた彼の過去が
ついにこの最終章で明らかになる。
かつて舞台女優として活躍し、今は日本橋の明治座で舞台を手がける女性演出家(松嶋菜々子)。
彼女の謎に包まれた生い立ちと加賀との接点・関わりを軸にストーリーは展開していく。
失踪した加賀の母が暮らしていた仙台、浅居博美(松嶋)の出身地・琵琶湖、そして北陸・能登。。。
そしてカレンダーに残された東京の12の橋の名前・・・。
劇中のシーンはめまぐるしく次々と移り変わっていくのだけれど、ストーリーが巧みかつ綿密に
練り込まれているので、違和感はない。文字通り、手に汗握る展開だった(笑)。
「砂の器」を彷彿とさせる親子(あちらは父と息子、此方は父と娘の違いはあるけれど)の
「絆」の描き方が素晴らしかった。特にトンネルのシーンの小日向さんが素晴らしすぎ!!
思わずジーンとしてしまった。
また、「容疑者Xの献身」のエッセンスも少々。不思議とあちらほど不気味さは感じなかったけれど。。。
原作を読んだことをうっかり忘れていたのだけれど、12の橋の名前という部分で思い出した(汗)。
原作よりも映画の方がスンナリ入っていけたというか素直に感情移入できたような気がする。
少し前に鑑賞した「ナミヤ雑貨店の奇蹟」も決して悪くなかったのだけれど、
やはり名だたる役者陣とジャニタレの力量の差を思い知らされてしまった。
それにしても登場する役者陣、豪華すぎっ!!
エンドロールに流れる懐かしいドラマシーンのカットも見逃せない。
久しぶりに見応え感ある骨太の作品だったなぁという印象。
重いテーマではあるけれど、加賀恭一郎の過去が解き明かされることで
観客もスッキリとした気分になれることはたしかだ。