スノーデン   

もし、自分のメールやSNSでの投稿、インターネットの閲覧履歴やカードの購入履歴が
知らない間に誰かによって盗みみられ、情報収集されているとしたら・・・。
その情報収集を行っているのが、国家だとしたら。。。


日本ではあまり大きなニュースにはならなかったですが、米諜報機関による不法な監視と
情報収集の実態を暴露・内部告発して世界を驚愕させたのが、米国NSA(国家安全保障局)の
職員だった29歳のエドワード・スノーデンです。
この、彼の内部告発の実態と心情に迫った作品が、巨匠オリバー・ストーン監督の
「スノーデン」です。


9.11後のテロへの危機感から国に貢献したいと考える彼は軍隊に志願しますが、訓練でケガをして除隊。
ずば抜けたコンピューター技術を持つことからCIAに採用され、ジュネーブに派遣されます。
最高機密を扱う任務に就いた彼は、米政府が対テロ諜報活動の名のもとに、
世界中のメール、チャット、SNSを監視し、膨大な情報を収集している実態に愕然とすると同時に
それまでの愛国心を打ち砕かれます。

やがて彼はNSAの契約スタッフとして東京の横田基地、ハワイのCIA工作センターへと赴任。。。
特に、私たち日本人にとって衝撃的なのは、この、横田基地での勤務を回想するシーンでしょう。。。
未見の方もいると思うので詳細は控えますが、米国によって日本国内の社会インフラに勝手に
不正ブログラム(マルウェア)が仕込まれ、万一、日本が同盟国でなくなった場合は
その不正プログラムが起動する・・・というもの。。。
もしも電力がなくなったら、日本全国に広がる原発がどうなるかは、東日本大震災の時のことを思い出せば
明らかでしょう。。。


しかも「テロは口実」で、政府による様々な監視は政府の覇権のためだった。。。という
台詞にも戦慄を覚えずにはいられません。


社会派の巨匠、オリバー・ストーン監督は、恋人リンゼイとの出会いや生活などを通して
スノーデンの人間性を浮き彫りにしながら、ストレスに少しずつ蝕まれていった極限心理を描き出します。
脇をかためる俳優陣も実力派ぞろい。。。ニコラス・ケイジがCIAの教官役で良い味を出しています。


少し前に観た「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」もそうでしたが、
今、世界は最先端ITの技術を駆使した「安全な場所」からの戦争の時代に突入しているようです。
ボタン一つ、クリック一つで、中東の国々に潜むテロの犯人を攻撃できる。。。
しかし、裏を返せば、周囲にいる何の関係もない民間人を巻き込んでしまう危険性も秘めています。


「スノーデン」の中でも語られていますが、CIAやNSAの人たちにとっても、単
なる「仕事」として捉えてよいものなのか。。。
そして私たち日本人にとって「映画の中の出来事」、「海の向こうの出来事」として
捉えて良い事件なのか。。。


海の向こうの米国では、トランプ大統領が就任し、民主主義の基本である自由のあり方が問われている
今だからこそ、必見の映画のように思いました。

まぁ、日本のデンデンなんとかの某総理大臣もトランプ大統領とたいして変わらないのですが(笑)。
困ったものです。が、映画はオススメです。
しかし、上映館が少ないのはどうして(謎)。。。月曜日に観ようとしたら「満席」でした!!



スノーデン_d0352022_14532726.jpg

by forestkoro1015 | 2017-02-02 14:51 | 映画作品 | Trackback | Comments(0)

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