殿、利息でござる!   

いよいよ、明日(14日)公開と迫ってきたのでご紹介するのが、
「殿、利息でござる!」です。

殿、利息でござる!_d0352022_17102823.jpg
ラッキーなことに、私はGWに入る前に鑑賞する機会に恵まれました(試写会)。
歴史学者の磯田道史先生が書いた評伝「無私の日本人」の中の一遍「穀田屋十三郎」を映画化したこの作品は、
約250年前の江戸時代を舞台に、重い年貢に苦しむ宿場町の庶民たちが、時の藩に一千両(およそ3億円)という大金を貸し付け、
その利息で町の財政を立て直したという宮城県大和町に伝わる実話をもとに描かれたものだそうです。


重い年貢に耐えかねて夜逃げが相次ぐ宿場町・吉岡。
阿部サダヲ演じる十三郎は、町一番の知恵者の篤平次(瑛太)から町を救う計画として「1千両の大金を藩に貸し付ける」
知恵を授けられます。

3億円もの大金を水面下で集める計画がスタートしますが、計画がバレたら打ち首は確実。。。
それでも世のため人のため、大好きなお風呂もお酒も我慢して、宝物も家財もすべて売り払い、
涙ぐましいまでの倹約と節約をして、十三郎と仲間たちはただひたすらに小銭をかき集めます。


誰がいくら出したのに、おまえのところはいくらしか出さないという小さな小競り合いがあったり、
儲け話と勘違いして一度出したお金を引っ込めたり、
底意地の悪すぎる藩の財政担当のお役人がいたり、
お殿様役で某有名スケート選手がスペシャルゲストとして登場したりと
よくここまで詰め込んだと思えるほど、内容はてんこ盛り!!
そしてそこに十三郎の隠された過去というか家族や兄弟(弟の浅野屋陣内=妻夫木聡)との確執が絡ませて描かれ、
笑いあり、涙ありの一大スペクタクル巨編(!)に仕上がっています。


何故、このような素晴らしい実話が世の中に広まることがなかったのかというと、
世のため、町のために頑張った彼らが驕り高ぶることがないようにと、自らの行動や態度を戒めた
「つつしみの掟」というものがあったのだそうです。
家が続く限り、子孫の代に至るまで「つつしむべし!」というこの掟のおかげで
あまり口外されることもなかったのだとか。。。
いやはや、すごい話ですよね。


個人的には、ロケ地に山形の庄内映画村(時代劇にはよく登場するロケ地です)が使用されていたこともツボの一つです。
また、主題歌の「上を向いて歩こう」(RCサクセション)も心に響きます。


ただのお笑い喜劇と思って出かけると、たぶん後悔するかもしれません。
是非、映画館で先人たちの知恵に学ぶと共に、心から「うるっ!」としてきてください。
オススメです☆









by forestkoro1015 | 2016-05-13 15:08 | 映画作品 | Trackback | Comments(0)

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